研究グループ

BS 活動報告 2017.1.8

2016年度の活動の研究発表を無事に終えました。
来てくださった方、どうもありがとうございます!!
少し長い投稿ですが、発表の内容を記載致します。

2017年1月8日午後2時半より2016年度Body Synergyの研究発表を行いました。その主な内容をこちらに記載します。

去年のBSの活動は主に自己の身体に向き合う、他者の身体に向き合う、そして他者との関係性の中でルールを決めて動いていく事をしました。そして研究発表では、一年通して行ってきた活動内容を30分程度の小作品にような形にまとめて、普段はメンバーだけで行われる事を他者に見てもらい、共有すると言う事をしました。

今年は活動内容を一歩さらに深め、即興で動いていく事に焦点をあてました。前半はダンスセラピーという枠組みの中で、自分自身の問題や心の中にある事象から動きを発展させ、他者と共有していくことをしました。夏のBSインターナショナルワークショップでは、イギリスよりThomas Goodwinさんを招待してダンサー、ノンダンサーへワークショップをしました。そのワークショップの中の一つにフッキング(hooking)しながら集団で動いていくと言う課題がありました。秋からの後半はそのフッキングに焦点をあててBSのチームで、その理解と可能性を探っていきました。

フッキングとは、Hookー引っ掛けるという動詞からきています。引っ掛けると言うと、かぎ爪だったり、金属的なものだったりを想像するかもしれませんが、その質感も多様にある事を発見しました。よくThomasが説明するときに使っていたのは、スパイダーマンの壁や天井に張り付く感じでした。その引っ掛ける/張り付く感覚を360度3次元的に意識を張り巡らせ、近くにいる人に持っていきながら動いていきました。

フッキングしながら集団で動いていくときに、ある要素がいくつかある事が研究で発見されました。それは、(a)個人の作業として、スパイラル、ねじれを身体の中に意識して動く事。(b)他者との関係性の中で、なるべく近い人たちとフッキングする事。そして(c)全体として、集団の方向性を読み取って個々が身体をコントロールしていく事。

(a)のスパイラルを意識する事によって、身体を立体的、3次元的に使えるようになる事。それが周りへの配慮を高めてフッキングしやすくする事。そして次の動きへの架け橋がより入りやすくなることでした。ねじれている身体をそのままねじりを深めて回転していく事も可能であるし、もしくはねじりを解いていく事の動きの可能性もあり、より有機的な動きを生み出す事でした。

(b)の近くのローカルとフッキングする事で、より強い繋がりを感じ、それが全体に影響していきました。もちろん遠くの人とフッキングする事もできますが、今回の発表ではなるべく距離の近くにいる人たちとのフッキングを目指してより集中力を高め、動きも丁寧にしました。ローカルの関係性を密にする事によって、それが全体に与える影響も意識しました。

(c)の集団としての方向性を考慮する事は、個、他者を超えたさらに大きな枠組みがどちらの方向に向かっていくのかを読み取り参加する事を促しました。個々の動き、近くの人たちとの動きに加え全体への意識も忘れることのないようにしました。

集団で動いていくときに、研究発表では二つの例を用意しました。(1) 全員が一人のリーダーにフッキングする。つまり、フッキングする対象が一人。(2)個々が動いていく中でローカルの人たちにフッキングする。フッキングする対象が複数、かつ変化していく。この二例を参加者にルールを知らせずに、まず見てもらって、それぞれで何が違ったかをシェアしていただきました。

コメントとして、(1)は動きの始まりと終わりが明確であったり、簡潔に見えたりしていた反面一定調で予想がついてしまう事、(2)は複雑化され多層化されたコミュニケーションが見え、全体としてダイナミックであった事などがあがりました。この集団の中の個人の意識の持ち方は家族や会社を始め社会のあらゆる集団と個人の関係にそのままあてはめられるかもしれません。一人のリーダーをしっかりと立てて信頼関係を結んだ中で一致団結して従う事によってより関係を簡潔にしたり、逆に一人一人が主体性を強く持って発言し、また周りに耳を傾ける事によって、集団全体が活発されるかもしれません。

最後にBSメンバー全員で、(2)のローカルにフッキングしながら全体の方向性を意識して10分間程即興をしました。上記の(a)から(c)の要素を頭に入れながら、人も自由に出入りして良いと言うルールの中で動いていきました。

フッキングして動いていく中で、その意識がうまく身体に落とされている時は、蜂蜜の中を動いているような、もしくは水圧が掛かったような質感が生まれてきたのも発見でした。動きの速さも必然的にゆっくりになり、丁寧かつ濃密な近隣との関係が結ばれる実感が生まれました。逆に外見の動きの見え方に意識が行き過ぎたり、ローカルとの繋がりが薄くなっていくと動きがさらさらとした質感になり、関係性が希薄になりました。意識を360度、3次元的にフッキングしていく事に集中していく事で、集団の意識も変わり、濃い関係性が生まれるのが発見でした。

フッキングして動いていく活動からBSのメンバーがそれぞれどう解釈し、日常生活に変化をもたらしたか、インスピレーションになったかも発表し、締めに動いて見たい参加者もBSのメンバーと共に即興しました。

BS 研究発表会2016 お知らせ

BS研究発表会ポスター2016 jpg.png

みなさま、新年あけましておめでとうございます。新年早々ですが、1月8日(日)に、Body Synergyの研究発表会を行います。

Body Synergyは2011年から続けている研究チームです。ことの発端は、「ダンスって舞台の上で、パフォーマーと観客の関係性の間で起こることだけではないはず」「ダンサーをやっていて感じる、他者とガチッと繋がれた時のあの特別な感覚を、みんなにも味わってほしい」「ダンスの中で、身体経験を通して感じる、人を信頼したり、協力したり、助けたりするという感覚って、日常にも使っていけば世の中もう少しうまく行くのではないか?」などなど、踊りをしていて感じたこと、疑問に思ったこと、シェアしたいことが溢れて、5年間リサーチを続けて来ました。

今回はレクチャーデモンストレーションの形をとって、言葉での説明も入れながら実際動いてデモンストレーションをしていきます。

今回の研究内容を簡単にまとめると、即興的に起こるムーブメントを通して、社会・日常の中で起こる「個」と「集団」の関係性を考えます。集団(または社会)の中での個の在り方。個の意識が変わることで、集団にどのような変化が生じるか。

参加は無料です。予約は特に必要ありませんが、なんとなく人数を把握できたらと思うので、興味のある方は「行くよ!」と一言お知らせいただけたら嬉しいです!

BS 活動報告 2016.11.21

昨日のワークショップでは、来年1月8日に行われるプレゼンにむけてのリハーサルをしました。昨年度同様、今年度も一年間継続してきたBody Synergyの活動のまとめとして、シェアリングの場を設けたいと思い、準備を進めています。

今回のテーマは、「個人として決断すること(individual decision making)」と、「集団とhookしながら動くこと」の両方を同時に起こすことができるかどうか。

Hookというキーワードは、夏のInternational Workshopで講師のThomas Goodwinさんが使っていた言葉。日本語だと引っかける、留める、つかまえるというような意味ですが、このhookという言葉を自分の身体に感覚としてどう落とし込むかが議論のポイントになりました。

Hookのインプロについて以下のような気づきがありました。(付け足したい方、是非コメント欄にお願いします!)

・個々の動きの軌跡やゴールを明確にすると次への方向性が見えてくる
・より自分に近い人とのhookをまず強く作ることが全体の強い繋がりを作る(ご近所への意識と集団全体への意識)
・止まる時は静止ではなくsuspensionである(振り子の頂点)
・これらをこなさないと、サラサラした味気ない、中身のないような関係性になってしまう
・個々の動きはspiralにすると全体に立体性が出るし、次の動きへのきっかけや方向性が見えてくる
・hookできた時の動きのクオリティはsticky
・hookできている、という実感がある時は、全体の調和が取れている
・自己のアジェンダ(自分の過程の始まりと終わり、方向性)と集団の動向の両方を意識できるとよい
・自分にとって、フックをかけている状態とは?(どんなフックのかけ方を目指したいか)
・動きやスペースを「聴く」
・グループ全体の動きのエネルギーの流れもはっきりさせる
・個人の意思 決断 と 集団の流れ のバランスを同時に感じる
・流れを作る 流れに乗る 流れに乗らないというチョイスをする
・自分の選択・意思で動く
・空間が必要としているものを探す。ただ空間を埋めるでない

参加者だけにしかわからない言葉の表現もあるかと思いますが、12月のワークショップの際に参考になれば、と思い書き留めておきます。